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犬との散歩で座りすぎを防ぐ
前回のヘルスケアニュースでは、座りすぎは病気や死亡リスクを高めることについてお伝えしました。
(座りすぎな日本人・・・病気のリスクを高める危険な座り生活)
問題となっている「座りすぎ」を防ぐとして、犬の散歩に効果が期待できるという意見があります。
49歳〜91歳の男女3,123人を対象に、犬を飼っているかどうか、犬の散歩をするかどうかと、身体活動レベルについて調査を行った、イギリスの研究があります。
その結果、犬を飼っている人は、そうでない人に比べて、身体活動量が多く、座り中心の時間が短い傾向にあることがわかりました。
外出がおっくうになりがちな天気の悪い日や、気温が低い冬でも、犬の散歩をする人たちは身体活動量の減少を防げていた、とのことです。
自分ひとりでは外に出ることがためらわれる状況でも、犬のためならば、と散歩に出かけることが飼い主の健康維持にも繋がっていたんですね。
ペットがもたらす、健康への効果
犬に限らず、ペットを飼っている人は飼っていない人に比べて、病院へ行く回数が15〜20%減ったというデータがあります。
また、ペットと暮らすことで、ドイツでは年間約7500億円、 オーストラリアでは年間約3000億円の医療費削減の効果があったとの報告もあります。
動物と過ごすことで得られる効果は、大きく分けて「生理的効果」「心理的効果」「社会的効果」の3つがあります。
【生理的効果】
- 血圧やコレステロール値の低下
- 散歩などの世話によって運動量が増える
- 病気になりにくい
- 病気の回復を助ける
【心理的効果】
- 活動意欲の活性化
- 精神状態が安定する
- ストレスや孤独感などが解消される効果
- 抑うつ症状の改善
- 免疫力の向上
- 回想作用
【社会的効果】
- 人間関係の潤滑油になる
- 人との出会いのきっかけ、コミュニケーションのきっかけになる
海外では、治療に動物を介在させて、病気の治療を行うアニマルセラピー(動物介在療法)も積極的に行われています。
日本においては、科学的な検証が不十分であるとして、欧米諸国のように病気の治療を目的としたアニマルセラピーは普及していないのが現状です。
まとめ
動物とふれ合うと、癒やされる、心が落ち着く、という方は多いのではないでしょうか。
犬や猫をはじめ、動物は、一緒にいるだけで私たちに癒やしや楽しさを感じさせ、幸せな気持ちにしてくれます。
それだけでなく、運動する機会や笑う機会、人と接する機会を与えて、心と体に良い健康効果をもたらしてくれる存在であることがわかりました。
動物を飼えないという方も、動物園に出かけたり、動物の写真や動画を見たり、手軽な方法で動物とふれ合うことでも効果が期待できるそうなので、おすすめです。