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概要
「おくすり遺伝子検査(CYP2C19遺伝子)」は、CYP2C19の遺伝子型を調べて、薬物の効果・副作用の予測、疾患リスク(消化器がん、乳がん)の予測を行う遺伝子検査です。
特徴
「おくすり遺伝子検査(CYP2C19)」は、以下の2つの遺伝子を調べています。
・CYP2C19(チトクロムP450 2C19)遺伝子G636A多型(rs4986893)※
・CYP2C19(チトクロムP450 2C19)遺伝子G681A多型(rs4244285)※
1994年に、CYP2C19遺伝子のエキソン5の一塩基置換《CYP2C19*2》により、mRNAの読み枠に未熟停止コドンが生じ機能を持たないタンパク質が作られる場合があることが明らかにされました。
そして、エキソン4にも未熟停止コドンを生じる一塩基置換《CYP2C19*3》が見出されました。
日本人の場合、この2つの変異と、それらの変異を持たない野生型《CYP2C19*1》の組み合わせにより、以下の3つのタイプに分けられます。
①高活性型(RM)*1/*1
②中活性型(IM) *1/*2、*1/*3
③低活性型(PM) *2/*2、*2/*3、*3/*3
検査販売元であるEMSで行った研究では、日本人の頻度は高活性型(RM)が33.6%、中活性型(IM)が50.4%(*1/*2:32.0%、*1/*3:18.4%)、低活性型(PM)が16.0%(*2/*2:8.8%、*2/*3:6.4%、*3/*3:0.8%)でした。
CYP2C19が低活性型(PM)の人は、ある場合には常用量の薬物投与でも血中濃度が通常より長時間高く保持されることで副作用が現われたり、反対に薬物を活性成分への変換する能力が低いために薬効が現れにくい場合があります。
また、ある場合には、低活性型(PM)の人は、高活性型(RM )や中活性型(IM)の人に比べ、有効血中濃度が長時間保持されるために、より顕著な薬効が得られることがあります。
したがって、薬物投与前にそれらの遺伝子型を調べ、事前に副作用発症リスクの予測や最適用量の予測ができれば、個々に応じた安全で有効な薬物治療が可能になります。
さらに、CYP2C19の遺伝子型がいくつかの疾患感受性に影響を与えることが報告されており、疾患リスクを知ることで生活習慣の改善や検診の積極的受診など予防の取り組みへの意識を高めることが可能となります。
「おくすり遺伝子検査(CYP2C19)」は、東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター前所長の鎌谷直之先生の監修により、国内外の最新の研究により構築された質の高い科学的根拠に支えられています。
主として、Peer Review Journalに掲載されたCYP2C19遺伝子多型に関する論文のうち、日本人も含む被験者集団を対象として行われた研究を中心に検索し、それらのデータを採用しています。
評価対象
薬物の効果・副作用の予測、疾患リスク(消化器がん、乳がん)の予測
検査方法
検査販売元からの公開情報なし
受診対象者
中学生以上が対象です。(小学生以下からの検査依頼は受けていません)
実施施設
検査実施医療機関に関する、検査販売元からの公開情報なし
※「おくすり遺伝子キット」は医療機関での取扱限定です。個人が直接検査販売元へ検査を申し込むことは出来ません。
価格
検査販売元からの公開情報なし
検査を受ける頻度
遺伝子を調べるため、基本的に一生に一度の検査で完了します。
検査結果
・報告書 :紙
・見本 :おくすり遺伝子検査(CYP2C19遺伝子)の報告書見本
・報告期間:公開情報なし
検査結果の内容
薬物の効果と副作用の予測、疾患リスクの予測についての判定結果が記載されています。
〈判定結果〉
・Phenotype(薬剤感受性)
高活性型(RM)、中活性型(IM)、低活性型(PM)の3つのタイプから判定
・Genotype(遺伝子型)
6種類(*1/*1, *1/*2, *1/*3, *2/*3, *2/*2, *3/*3)から判定
〈薬物の効果と副作用の予測〉
以下の薬物について、判定結果を踏まえた、薬物の効果と副作用の予測が記載されています
・オメプラゾール
・ジアゼパム
・エスシタロプロム
・クロバザム
・クロピトグレル
・プログアニル
〈疾患リスクの予測〉
以下の疾患について、判定結果を踏まえた、疾患リスクの予測が記載されています
・消化器がん(特に、咽頭がん・食道がん・胃がん)
・乳がん
検査後の対応
検査販売元からの公開情報なし
サポート
EBSコンシェルジュ・デスク
受付時間:10:00~18:00(土日、祝日を除く)
TEL(フリーダイヤル) 0120-050-595
精度・エビデンス
会社情報
会社名 :イービーエス株式会社
所在地 :広島県広島市安佐南区祇園3-26-3
電話番号 :082-832-5570
URL :http://www.e-b-s.co.jp
設立年月日:1958年10月2日(有限会社 道下薬局として)
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