免疫血清学検査

最終更新日3月 5, 2020 @ 3:37 PM

 

免疫血清学検査とは

人間の体には、外部から侵入してくる異物(細菌、ウイルス、毒物など)から、体を守るために「抗体」という物質を作り、体を守ろうとする働きがあります。
 

血清中に抗体ができているかどうかや、どのくらいの量の抗体なのかを調べる検査が免疫血清学検査です。

抗体は侵入物の一部(抗原)と結びつくことができ、この現象を抗原抗体反応(免疫反応)と呼ぶことから、免疫学的検査とも呼ばれています。



免疫血清検査では、 主に血液(血清・血漿)を検査材料として、 感染症や免疫異常などの病気の診断や治療効果の判定などに用いられています。

感染主体の病気ではB型肝炎や梅毒などの診断に、免疫異常による病気では、慢性関節リウマチやリウマチ熱などの膠原病の診断に欠かせない検査です。
 

その他に、がんに関連する腫瘍マーカー検査、甲状腺などのホルモン検査、アレルギーや自己免疫性疾患の検査があります。

 

 

 

検査項目

免疫血清検査

項目

説明

免疫

 

 

 

 

IgG

免疫グロブリンで最も多量に存在し、慢性炎症性疾患などで上昇します。

IgA

免疫グロブリンGについで多量に存在し、分泌型IgAは粘膜面での局所免疫に作用します。

IgM

免疫グロブリン中で最大の分子量をもち、感染症で最も早期に増加します。

非特異的 IgE

アレルギーの診断や、経過観察のための検査が非特異的IgEです。

特異的IgE

特異的IgEとは、アレルギー性疾患の原因となっている物質を特定するための検査です。体内にアレルゲンを投与し、それに対してアレルギー反応が起こるかどうかでアレルギーの原因を特定します。

腫瘍マーカー

 

 

 

 

 

AFP

主に肝がんの腫瘍マーカーとして使われています。

そのほか、卵巣がん、胃がん、肝炎、肝硬変などのスクリーニングや診断、病状の経過観察に有用性の高い腫瘍マーカーです。

CEA

消化器系がんや肺がんなど、さまざまながんのスクリーニング(ふるいわけ)検査に幅広く使われている腫瘍マーカーです。手術後、治療後の経過観察の指標としても使われています。

CA19-9

すい臓がん、胆道がんをはじめとする各種消化器がんで上昇する腫瘍マーカーです。

消化器がんの中でも、特にすい臓がんに特異性の高い腫瘍マーカーです。

婦人科の病気では卵巣がん、卵巣腫瘍、子宮内膜症に敏感に反応して高値を示すマーカーです。 

そのほか、胃がん、大腸がん、肝硬変、肝炎、子宮筋腫でも値が上がります。

CA19-9は、早期がんでの陽性率は低く早期発見に関しては不適ですが、治療効果を調べる場合などに有用です。

シフラ

AFPは肝細胞がんで上昇する腫瘍マーカーです。肺がんのうち扁平上皮がん、線がんなど非小細胞がんに特異性をもっています。

PSA

PSAは前立腺に特異的にみられる腫瘍マーカーで、前立腺がんが疑われるとき、まず行われるスクリーニング(ふるいわけ)検査として位置づけられています。

また、がんの進み具合を鋭敏に反映するため、前立腺がんの早期発見とともに病気の推定、治療効果判定や予後予測にも用いられています。

PSAは、前立腺がんや前立腺炎、前立腺肥大などの病気で値が上昇しますが、前立腺肥大症や前立腺炎でも高くなるので鑑別が必要です。

CA125

主に卵巣癌に有効な腫瘍マーカーです。子宮内膜症と子宮筋腫の鑑別にも用いられます。

がんの進行とともに陽性率、測定値ともに上昇するため、CA125はこれらの病気のスクリーニング検査や経過観察、治療判定の目安に利用されています。ただし、肺がん、肝がん、胆道がん、大腸がん、乳がん、子宮がん、卵巣腫瘍などでも上昇することがあります。

ホルモン

 

 

TSH

下垂体前葉より分泌され、甲状腺ホルモンの分泌を調節しています。甲状腺機能に反映し甲状腺疾患の診断の検査です。

FT3

甲状腺ホルモンの一種で、甲状腺機能を調べる検査です。病気の程度、治療効果を知る目安となります。

FT4

甲状腺ホルモンの一種で、甲状腺機能を調べる検査です。病気の程度、治療効果を知る目安となります。

感染症

 

 

 

 

 

HBs抗原・抗体

HBs抗原が陽性であれば今現在HBV(B型肝炎ウィルス)に感染していることを示し、HBs抗体が陽性の場合は過去に感染したことがあるものの、すでに排除されて抗体ができていることを意味します。

HCV抗体

現在C型肝炎に感染しているか、または過去に感染したことがあるかがわかります。

HCVが陽性であれば、C型肝炎ウィルスに感染していることを示します。ただし、C型肝炎に感染しても1~2ヶ月は血液中に抗体が現れず、陰性となることがあります。

ASO

高熱や関節痛を起こす病原菌として知られている溶連菌の有無を調べます。

溶血性連鎖球菌が引き起こす感染症には、扁桃炎や咽頭炎、中耳炎や猩紅熱など、さまざまなものがあります。

梅毒血清反応

梅毒とは、代表的な性感染症の一種であり、梅毒を起こす病原微生物「トレポネーマ・パリダム」に感染していないかどうかを調べる検査です。検査の方法には、STSとTPHAの2つがあり、どちらも陽性であった場合は梅毒の可能性が高いです。

HIV抗体

後天性免疫不全症候群(エイズ)に感染しているかどうかを診断するための検査です。

同じ検査を2度行ってどちらも陽性と判定されたら、別の検査で更に調べます。

別の検査でも陽性の場合、HIVに感染していると確定されます。

 

 

   

Pocket

関連記事

  1. 血液生化学検査
  2. リスク検査とは
  3. 「その他」から調べる
  4. PET検査
  5. 「検査」を知る
  6. 熱画像検査・サーモグラフィー検査
  7. 遺伝子検査とは
  8. MRI検査

カテゴリー

PAGE TOP