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概要
「マイクロアレイ血液検査」は、体内に生じた「がん」に対する生体反応を遺伝子レベルで捉えて、消化器がん(胃・胆道・すい臓・大腸がん)の有無を判定する血液検査です。
独自技術と特徴
マイクロアレイとは、「がん」などの異物に対する体の反応を遺伝子レベルで測定できる最新の技術です。
血液ががん細胞に反応する状況を世界で初めて遺伝子レベルで捉えることができるようになり、これを利用して開発されたのが「マイクロアレイ血液検査」です。(金沢大学と株式会社キュービクスが共同で開発)
がん細胞への反応に伴い増減する遺伝物質(m-RNA)を測定し、がんの反応・発現パターンを解析しています。
大きく成長する前のがんを感知できるため、腫瘍マーカー検査や通常の画像診断でもわからない超早期発見が可能で、早期がんと進行がんの判別もできます。
消化器のがんに対して、がん検出の感度(がん患者をがん患者と判定できる率)は98.5%、特異度(健常人を健常人と判定できる率)は92.9%となっており、90%以上の検査精度があります。
がんが存在する部位を胃・胆道・すい臓・大腸と判別できますが、すべてに陽性反応が出てしまい、場所を判別できないケースもあります。(35%程度)
画像診断の際の放射線被爆や強力な電磁波などの人体への影響の心配もなく、内視鏡検査の際の前処置なども必要ない簡便な血液検査です。
評価対象
胃がん、胆道がん、すい臓がん、大腸がん
検査方法
医療機関で採血
受診対象者
検査開発元からの公開情報なし
実施施設
400以上の医療機関(マイクロアレイ血液検査を受けられる医療機関の紹介)
価格
120,000円前後
検査を受ける頻度
検査開発元からの公開情報なし
検査結果
・報告書 :紙
・報告期間:約3〜4週間
検査結果の内容
判定結果、リスク評価、変動血液RNA数評価、パターン分析による判別評価、消化器癌の有無詳細判定、陽性例と疑陽性例の比較解析について記載されています。
他にも、検査結果の見方や検査の流れ、原理、マイクロアレイ血液検査の開発、結果の意義についての説明があります。
【判定結果】
・陰性です。今後も定期的な検診を受けましょう。
・精密検査を受ける事をお勧めします
【リスク評価(有無判定)】
以下の項目に関して、リスク低〜高の評価がされます(グラフ内でリスクの位置が示される)
・消化器全般
・胃、大腸
・膵臓
・胆道
【変動血液RNA数評価】
陰性例、陽性例と自分の結果(検査検体)がグラフで示されます。
【パターン分析による判別評価】
・『陽性と陰性を判別するために重要な 21個の血液RNA発現パターン分析』として、陽性パターン、陰性パターンと自分の結果(検査検体)がグラフで示されます。
・『血液RNA発現パターン別 “群判定” 』として、陽性群、陰性群と自分の結果(検査検体)がグラフで示されます。
【消化器癌の有無詳細判定】
以下の項目に関して、陰性陽性の判定がされます(グラフ内で判定結果の位置が示される)
・胃、大腸
・膵臓
・胆道
【陽性例と疑陽性例の比較解析】
これまでにわかっている偽陽性例と検査検体の類似性を、以下の2つの方法で調べた結果が記載されています。
・『陽性例、偽陽性例のクラスタリング解析』として、陽性例、疑陽性例と自分の結果(検査検体)の比較がグラフで示されます。
・『陽性例と偽陽性例との判別(8遺伝子パターン)』として、癌症例(陽性例)、疑陽性例の遺伝子パターンと自分の結果(検査検体)の比較がグラフで示されます。
検査後の対応
検査開発元からの公開情報なし
精度・エビデンス
・精度:感度98.5%、特異度92.9%
・陽性/陰性の判定:金沢大学大学院医学系研究科の金子周一教授らの研究成果に基づく
・エビデンス :マイクロアレイ血液検査の主要論文
会社情報
会社名 :株式会社キュービクス
所在地 :石川県野々市市末松三丁目570いしかわ大学連携インキュベータ
電話番号 :076-201-8821
URL :http://www.kubix.co.jp/index.html
設立年月日:2004年8月
従来のがん検査
従来行われている大腸がんの早期発見の検査は、以下のような検査があります。
・腫瘍マーカー検査
がん細胞によって作られる物質(腫瘍マーカー)を調べる血液検査です。
一般的にがんが大きくなるほど体内で腫瘍マーカーの量は増えますが、ある程度の量のがん細胞が体内に存在しないと検出できないため、がんの早期発見には不向きです。
また、がんが存在していても必ずしも腫瘍マーカーが増加するわけではなく、がん以外の病気でも増加することがあるため、確実な指標にはならず、腫瘍マーカーだけでがんの診断をすることは困難と言われています。
現状、腫瘍マーカー検査は、がんの手術後の経過観察や治療効果判定などに有効であるとされており、がんを早期に発見するための検査ではないことに注意が必要と考えられています。
・PET-CT、CT、MRIなどの画像診断
精度は高いものの、値段が高く、放射線を使用するため頻繁に行うことができません。
また、画像診断で発見できるレベルのがん細胞は既に大きくなっており、分子・細胞レベルのがん細胞を発見することは難しく、初期の検査というよりも精査のための検査という位置づけです。
その他のがんリスク検査
・アミノインデックス®がんリスクスクリーニング(味の素)
血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、現在、がんであるリスクを評価する検査です。
・ミアテストプラチナ(ミルテル)
日本初上陸のマイクロRNA(遺伝子)による疾患の早期予測検査です。
病気になると、病気特有のマイクロRNAの量が増減するため、この変動を検査することで、複数の「がん」の疾患リスクを予測する血液検査です。
・プロテオ検査(マイテック)
がん関連物質を新型バイオチップである「プロテオ」を用いて直接検出することで、がんのリスクを3段階で評価する血液検査です。
・CanTect検査(ジーンサイエンス)
がん細胞から血液中に遊離されるDNA、RNAなどの遺伝子を解析し、分子、細胞レベルの微細ながん細胞を検出することで、現在がんになりやすい状態であるか、微細ながんが存在するかどうかを調べる血液検査です。
・サリバチェッカー(サリバテック)
健康な人とがんの人との唾液に含まれる代謝物質の違いを統計的に計算し、すい臓、大腸、乳、肺がんの疾患リスクを調べる検査です。
大腸・すい臓・胃がんのリスク検査
・Prodrome-CRC(NKメディコ)
15種類の中鎖脂肪酸を測定することで、大腸がんのリスクを調べる血液検査です。
・Prodrome-PAC(NKメディコ)
6種類の長鎖脂肪酸を測定することで、すい臓がんのリスクを調べる血液検査です。
・大腸がん検査2日法(ヘルスウェーブジャパン)
試薬との反応で便の中の血液を確認し、大腸がんのリスクを調べる便潜血検査の郵送検査キットです。
・胃がん検査(ヘルスウェーブジャパン)
血液中のペプシノゲン産生量によって胃委縮の状態を検査し、胃がんの発生リスクを調べる郵送検査キットです。
・胃がんリスクチェック(リージャー)
ピロリ菌抗体の検査と、ペプシノーゲンⅠ/Ⅱの検査(胃粘膜の萎縮の程度チェック)を組み合わせて、胃の状態を総合的にチェックする郵送検査キットです。
※上記内容は、検査販売元、または検査開発元の情報を参考に作成しております。
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