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概要
「大腸がんリスク検査」は、血液中のペプチドを測定して、ステージⅠからの大腸がんリスクを確認できる検査です。
特徴
大腸がんの発症によって血液中で増減する「5種類のペプチドの濃度」を測定し、ステージⅠからの大腸がんリスクを調べる検査です。(ペプチドとは、タンパク質が短くなった断片のこと)
大腸がんは、ステージⅠまでの早期がんの段階では自覚症状がないため、血便や腹痛などの症状が出たときにはすでにある程度進行しているという怖さがあります。
その一方で、大腸がんは治りやすいがんと言われており、発見が早いほど、治療の選択肢が多く、痛みや負担の少ない治療で治すことができます。
大腸がんを早期に発見するための従来の検査方法は、検診などで行われる便潜血検査や、精密検査の役割もある内視鏡検査などがあります。
しかし、便潜血検査は、早期大腸がんの発見率は50%程度、進行大腸がんの発見率は80~90%で、早期の段階でがんを発見することは難しいと考えられています。
また、内視鏡検査は身体的負担や抵抗感をもつ方も多く、簡易な検査とは言えません。
「大腸がんリスク検査」は、従来の検査法にはない観点でリスクを見ていることから、血液検査でステージⅠの早期がんの段階からリスクを調べられるというメリットがあります。
独自技術
検査を開発したプロトセラは、京都府立医科大学と共同で研究を進めてきました。
プロトセラが独自開発した新質量分析法というペプチド解析技術を用いて、血液中から大腸がんの浸潤や血管新生等に関連する5種類のペプチドの組み合わせを発見しました。
この検査で用いる質量分析法は、抗体を使用せず、一度の操作で複数のペプチドの測定を可能にする、再現性と精度の高い測定法です。
採血と質量分析法による大腸がんのリスク検査は、日本初のサービスです。
リスク対象項目
大腸がん
検査方法
医療機関で採血(検査に絶食は必要ありません。)
検査対象者
以下のような方をはじめ、年齢を問わず、幅広い方に推奨される検査です。
・痔出血や消化管出血のため便潜血検査をあきらめている方
・内視鏡検査に抵抗感のある方
価格
3〜4万円前後
検査を受けられる医療機関
全国31施設(検査を受けられる医療機関の情報)
検査結果
・報告書 :紙
・報告期間:約2〜3週間
検査結果の内容
測定したペプチド濃度を研究により得られた数式に代入し、0から1までの「大腸がんリスクインデックス」を算出します。数値が大きいほど大腸がんのリスクが高いことを示しています。
この「大腸がんリスクインデックス」の値に基づいて、現在の大腸がんのリスクをA、B、Cの3段階で評価します。
《評価A》
1000人に1人の割合で大腸がんが疑われます。
がんの発症リスクは低いと考えられ、現在の生活習慣を継続することをお勧めします。
《評価B》
500人に1人の割合で大腸がんが疑われます。
ステージ0からIIまでの発症リスクが疑われます。定期的なリスク検査をお勧めします。
《評価C》
10人に1人の割合で大腸がんが疑われます。
ステージ0からIVまでの発症リスクが疑われます。内視鏡検査を含む総合的ながん検診をお勧めします。
検査後の対応
検査結果に基づく今後の対応については、担当医師に相談するように、との記載があります。
検査の精度
健常者と大腸がん患者全248例を測定した結果です。 (2016年1月14日現在)
・感度(大腸がん患者を大腸がん患者と判定できる率)
・特異度(健常者を健常者と判定できる率)
大腸がんステージ | 感度(%) | 特異度(%) |
Ⅰ | 70 | 98 |
Ⅱ | 100 | 98 |
Ⅲ | 90 | 96 |
Ⅳ | 100 | 98 |
会社情報
会社名 :株式会社プロトセラ
所在地 :大阪市淀川区西中島4丁目3番22号 新大阪長谷ビル3F
電話番号 :06-6415-9620
URL :http://www.protosera.co.jp
設立年月日:2004年4月1日
類似する検査
・アミノインデックス®がんリスクスクリーニング(味の素)
血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがんである人のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、現在、がんであるリスクを評価する検査です。
・ミアテストプラチナ(ミルテル)
ミアテストは、日本初上陸のマイクロRNAによる疾患の早期予測検査です。
病気になると、病気特有のマイクロRNAの量が増減するため、この変動を検査することで、12種類(女性は13種類)の「がん」の疾患リスクを予測する血液検査です。
・CanTect検査(ジーンサイエンス)
がん細胞から血液中に遊離されるDNA、RNAなどの遺伝子を解析し、分子、細胞レベルの微細ながん細胞を検出することで、現在がんになりやすい状態であるか、微細ながんが存在するかどうかを調べる血液検査です。
・マイクロアレイ血液検査(キュービクス)
体内に生じた「がん」に対する生体反応を遺伝子レベルで捉えて、消化器がんの有無を判定する血液検査です。
・Prodrome-CRC
血液中の長鎖脂肪酸GTA-446の濃度を測定することで、大腸がんのリスクを調べる血液検査です。
・がんリスクチェッカー(リージャー)
腫瘍マーカーのp53抗体(大腸、食道、乳がんが疑われる)と、CEA(消化器系のがんが疑われる)を測定しています。腫瘍マーカー検査を自宅で実施できる郵送検査キットです。
従来のがん検査
・腫瘍マーカー
がん細胞によって作られる物質(腫瘍マーカー)を調べる血液検査です。
一般的に、がんが大きくなるほど体内で腫瘍マーカーの量は増えますが、ある程度の量のがん細胞が体内に存在しないと検出できないため、がんの早期発見には不向きです。
また、がんが存在していても必ずしも腫瘍マーカーが増加するわけではなく、がん以外の病気でも増加することがあるため、確実な指標にはならず、腫瘍マーカーだけでがんの診断をすることは困難と言われています。
現状、腫瘍マーカー検査は、がんの手術後の経過観察や治療効果判定などに有効であるとされており、がんを早期に発見するための検査ではないことに注意が必要と考えられています。
腫瘍マーカーCEAの大腸がんの早期発見率は、27%と低い値となっています。
・大腸内視鏡検査
精度が高く確定診断に向いていますが、身体的負担や抵抗感を持つ方が多く、早期発見のための最初の検査としてはあまり向かないと考えられます。
・PET-CT、CT、MRIなどの画像診断
精度は高いものの、値段が高く、放射線を使用するため頻繁に行うことができません。
画像診断で発見できるレベルのがん細胞は既に大きくなっており、分子・細胞レベルのがん細胞を発見することは難しく、初期の検査というよりも精査のための検査という位置づけです。
※上記内容は、検査販売元、または検査開発元の情報を参考に作成しております。
当サイトの情報は、各検査の精度、有効性等を保証するものではなく、各検査を受けることを推奨しているものでもありません。検査を受けられる方は、当サイトだけでなく、その他の情報も参考にして、検査受診に関する決定をご自身のご判断において行っていただくようお願いいたします。