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熟練医並みの精度
理化学研究所と国立がん研究センターがAIを使って、約90%の精度で早期胃がんを自動検出することに成功したそうです。
研究チームは、内視鏡で撮影した100枚の早期胃がんの画像と、100枚の正常な胃の画像を「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる技術を使ってAIに学習させました。
その結果、感度(「がん」画像中、正しく「がん」と判断した割合)は80.0%、特異度(「正常」画像中、正しく「正常」と判断した割合)は94.8%、判断にかかる時間は0.004秒でした。
医師の味方
早期胃がんはほとんどの場合、自覚症状がありません。
胃がんの初期症状として、胃の痛みや不快感など胃炎や胃潰瘍と類似した症状が現れるため、胃の不調と勘違いして放置してしまうことが多いという問題があります。
そのため、早期胃がんを発見するためには健康診断や人間ドックを定期的に受けることが必要になります。
しかし、早期胃がんの画像診断の正確さは医師の経験に大きく依存しているのが現状です。
内視鏡画像検査では炎症との区別がつきにくく、専門医であっても発見が難しいという問題を抱えています。
今回、理化学研究所と国立がん研究センターが確立したAIを使った手法は、胃炎や胃潰瘍といった特徴が似ていて判断が難しい例についても、高い確率で判断できることが分かっているそうです。
あくまでも医師の判断を支援するという位置づけですが、AIによって検診における胃がんの見逃しを減らすことができれば、早期発見、早期治療につながることが期待できます。
現在は精度を高めて、装置としての早期実用化を目指している段階です。