20代からの全女性に関係する「女性特有のがん」

ほぼすべての女性に関係がある

時代が変化して、結婚や出産・育児によって仕事を辞める人が減り、働く意欲のある女性が増えているというニュースをよく見かけます。

世界的に見て、日本の労働力率は、アメリカやフランスを上回るそうです。

 

一方で、晩婚化や少子化、生活習慣が変化したことによって、女性特有のがんが増えているとのこと。

 

「がん」と聞いても、「将来かかるかもしれない病気」という程度の認識で、なかなか自分事に考えられません。

周りで「がん」にかかった人がいない場合、特にイメージがつきにくい病気だなと感じています。

おそらく多くの女性が「がんは心配だけど、自分は大丈夫」とどこかで思っているのではないでしょうか。

 

しかしデータを見てみると、女性特有のがんは、20歳代からのすべての女性に関係している病気だということがわかりました。

 

 

まず「がん」について

そもそも、「がん」というのは、細胞の遺伝子が傷つくことで起こる病気です。

正常な細胞がなんらかの原因で、異常細胞(がん細胞)になり、異常細胞が増殖することで、「がん」になります。

 

がん細胞は、傷ついた細胞の遺伝子が誤って修復されたり、発がん物質やウィルスなどその他の外的要因によって生まれると考えられています。

 

しかし、生まれたがん細胞のすべてが「がん」になるとは限りません。

「がん化」する原因は、がん細胞が暴走してどんどん増え続けたり、「がん」を抑制する遺伝子の働きが低下することによって起きます。

 

「がん」になるメカニズムなど、まだ解明されていないことも多いようです。

 

 

女性特有のがんとは?

女性特有のがんには、乳がん、子宮体がん、子宮頸がん、卵巣がんなどがあります。

今回は、まず「乳がん」「子宮体がん」の特徴についてまとめました。

 

乳がん>

【特徴】

・女性がかかる「がん」で一番多いがん(女性の12人に1人)

・乳がんにかかる人は、20歳代から徐々に増え始める。

 30歳代後半から急激に増加し、40歳代後半から50歳代前半で1回目のピークを迎える。

 閉経後の60歳代前半で再びピークを迎え、その後は徐々に減る。

 

【原因】

乳がんの発症には、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」が深く関わっています。

エストロゲンは、乳がんのがん細胞を増殖させることが知られています。

女性の社会進出の増加によって、妊娠や出産を経験する人が減り、生涯に経験する月経回数が昔に比べて多くなりました。

月経中はエストロゲンが多量に分泌されるため、月経回数が増えたことで、長期間エストロゲンの刺激を受けることになり、これが乳がんの発生と進行に影響を及ぼしている可能性があります。

初経が早く、閉経が遅い人も、エストロゲンの影響を長期間受けているため、乳がんの発症リスクが高くなります。

その他、動物性脂肪のとりすぎやアルコールは、乳がんの発症リスクを高めることがわかっています。

 

【症状】

乳がんの初期は、自覚症状がほとんどありません。

がんが進行すると、「しこり」「痛み」「引きつれ」「ただれ」「出血や異常な分泌」「えくぼのようにくぼむ」「赤く腫れる」といった症状が現れるようになります。

 

【リスクが高めの人】

・30歳以上で未婚

・初経が早く、閉経が遅い

・出産経験、授乳経験がない

・初産年齢が高い

・閉経後の肥満

・飲酒の習慣

・母親や姉妹に乳がんにかかった人がいる

・子宮体がん、卵巣がんにかかったことがある

 

【対策】

1.自治体の乳がん検診

・検診方法:問診、視触診、マンモグラフィー検査

・対象者 :40歳以上/2年に1回

・費用  :無料〜3,000円程度

 

2.健康保険組合や職場で行う乳がん検診

・検診方法:健康保険組合や職場によって異なる

・対象者 :健康保険組合や職場によって異なる

・費用  :一部補助を受けられるため、低価格

 

3.医療機関の乳がん検診

・検診方法:問診、視触診、マンモグラフィー検査、超音波検査など

・費用  :保険適用外のため、全額自己負担

 

 

<子宮体がん>

【特徴】

・子宮の奥、子宮体部にできる「がん」

・子宮体がんにかかる人は、20歳代から少しずつ増え始める。

 30歳代後半から40歳代にかけて患者が増え、50歳代〜60歳代前半にピークを迎える。それ以降は減少。

 

【原因】

子宮体がんの発症には、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」が深く関わっています。

エストロゲンは、子宮体がんのがん細胞を増殖させることが知られています。

晩婚化や少産化、月計回数の減少、月経不順、食生活の欧米化などに原因があると考えられています。

 

【症状】

子宮体がんは、症状が進行していない早期の段階に不正出血を起こすことが多いです。

閉経前は「月経とは無関係の出血」「月経が8日間以上続く」「通常より月経量が多い」、閉経後は「時々出血がある」「少量の出血が長く続く」といった症状があります。

また、おりものについて、「量がふえてきた」「水っぽい」「茶色っぽく血が混じっている」「今までにないにおいがする」といったこともサインです。

不正出血やおりものの変化がある場合は、放置せずに産婦人科への受診がおすすめです。

 

【リスクが高めの人】

・閉経前後

・月経不順

・肥満

・糖尿病

・高血圧

・妊娠、出産の経験がない、あるいは少ない

・母親や姉妹に子宮体がんにかかった人がいる

・更年期障害の治療などでエストロゲンを補充する薬を単独で使っている

 

【対策】

1.自治体での子宮体がん検診

*自治体が行う「子宮がん検診」は、基本的に「子宮頸がん検診」である場合が多く、「子宮体がん検診」は実施していないことが多い。(実施していてもオプションで有料)

 

2.健康保険組合や職場が行う乳がん検診

・検診方法:健康保険組合や職場によって異なる

・対象者 :健康保険組合や職場によって異なる

・費用  :一部補助を受けられるため、低価格

 

3.医療機関での子宮体がん検診

・検診方法:内診、細胞診、超音波検査など

・推奨対象:40歳以上の方、不正出血のある方、年齢に関わらず月経不順の方、子宮内膜増殖症と診断された方など

・費用  :5,000〜6,000円

 

 

セルフチェック+検診で自分のカラダを守る

見た目の年齢が若かったり、いつまでも元気で活動的な女性が増えましたが、時代が変化しても、体の仕組みは昔の時代と変わっていません。

社会環境や生活習慣の変化によって、乳がんも子宮体がんも、以前より患者数が増えているというのが現状です。

 

乳がんは、自分で観察したり触れたりすることで発見できる可能性が高いがんです。

乳がんの6割以上は、セルフチェックで発見されているそうです。

月に一回程度の頻度でいいので、セルフチェックをしてみましょう。

 

子宮体がんは、自覚症状のない段階でも、不正出血やおりものの変化がひとつのサインになります。

 

どちらも、日頃から自分の体を気にかけてあげることで、気づけることがあるかもしれません。

 

乳がんも子宮体がんも、早期に発見できれば、生存率が高く、治りやすい「がん」と言われています。

「まだ若いから」「忙しくて時間がない」と、ついつい自分の体のことを後回しにしがちですが、セルフチェック+検診を受けることが、「がん」から自分を守る第一歩です。

 

次回は、子宮頸がんと卵巣がんについて、お伝えします。

 

Pocket

関連記事

  1. 気象×医療でぜんそくリスクを予測
  2. カフェインがパーキンソン病を救う?
  3. 風疹の流行に備える
  4. わずかな血液からアルツハイマー病を診断
  5. 今知っておきたい、ナッツアレルギー
  6. 癒やしだけではない、動物による健康効果
  7. わずか0.5ccの血液でアルツハイマー病がわかる
  8. 酒は百薬の長なのか?

カテゴリー

PAGE TOP